DENONのDP-50F、フルオートプレイヤー。
最近、アームがプルプル震えていて盤に針が落ちなくなりました。
ロケートつまみで位置を合わせても、すんなり落ちるときと、いつまでもプルプル震えている時がある。
重い腰を上げて、とりあえず、メンテナンスをすることに。入手後手を入れていない事もありどうせなら予防保全も兼ねて手持ち部品で出来るだけ交換しておこうと思う。
早速、手持ちの部品箱を確認し、足が黒くなる2SC458(D)と、劣化しやすいケミコン(電解コンデンサー)、接触不良が頻発する半固定抵抗を交換してみることに。
たまたま、オーディオのOHで使った残りの22 uFのバイポーラのケミコンもあったので交換しておいた。
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古い機器は共晶ハンダが使われています。
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30Wのハンダごてが丁度良いです。
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コテ先は都度清掃しましょう。
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2SC458は、角型パッケージの古いタイプが使われています。
アームサーボ基板の左手前のほうにある足が特に黒い2個を交換。TO92パッケージはリードの配列が異なるので、シルク印刷されている通りECBを合わせて取り付けます。
ケミコンは、220uFと、100uF、1000uF、2200、10uF、22uFの手持ちが数個あり、全数交換には至らなかったけどほぼほぼ交換した。
半固定抵抗は、
22KオームB(203)
100オームB(101)
200オームB(201)
10Kオーム(103)
があったので、実装されているすべての半固定抵抗を交換した。
(モーターサーボ基板の半固定抵抗も10KΩB<103>です)
部品交換後に、半固定抵抗の調整もしておきましょう。部品交換にて回路環境が改善された際に、以前よりも再生開始位置やアームエンド位置が狂うことがありますし、半固定抵抗の調整しないままだと、スタートを押してもアームが動かなかったり、内周と反対方向へ動こうとして再生出来ない場合があります。
調整は裏蓋を外した状態で、網棚の上などに置いて通常の再生をしながら行うとよいです。網棚の下からドライバーで調整します。
機器の上から見て、半固定抵抗の位置を右端から色分けして説明しています。基板面から見た場合は、左端からの意味になります。
1.赤丸の位置の半固定抵抗(100オームB)は、再生エンド位置の調整です。曲が終わり再内にさしかかる時にアームが上がりアームレストに戻す調整です。かなりシビアなので、根気よく何度も調整を繰り返します。
リピート時にリフターがバタつきうまくリピートしない場合もここを調整。
2.青丸の位置の半固定抵抗(220オームB)は30cm(LP)の演奏開始位置の調整です。スタートボタンを押し、いきなり一曲目の途中から再生される場合は調整します。若干ですが、17cm(EP)の開始位置にも関わってきます。
調整を絞りすぎると、スタートボタンを押した時にアームが盤面に向かって動こうとしなくなります。リフトアップし直ぐにリフトダウンする動作を繰り返す場合は、この半固定抵抗をシビアに調整しましょう。
3.黄色丸の位置の半固定抵抗(22KオームB)はアームのスピード調整です。
再生開始位置に移動する速さと、ストップを押したりアームエンド位置に差し掛かった時にアームレストに戻る速さの調整です。この速さの調整も微妙に再生開始位置の調整にも関わってくるので、再生開始位置があと少し調整したい時に調整するとうまく再生開始位置が合います。17cmの位置調整(半固定で調整しきれない、大きな調整)は裏側のアームの付け根付近にある白い樹脂の偏心ネジで調整します。
4.ロケートつまみの後ろにある半固定抵抗(10KオームB)は、ロケートつまみで可動域がずれる場合に補助的に調整します。ロケート用ボリュームは基板に取り付けナットで固定されています。ナットが緩かったり、基板との接触面が汚れていると動作が鈍くなります。一度ボリュームを取り外し、基板のパターンに接触する面を綺麗にしておきましょう。
いろいろな盤、カートリッジで正常に動作するか確認しておいたほうが良いです。盤によって始点終点が微妙に異なります。
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<補 足>
ロケートつまみを回した際に、位置調整が大きくずれる場合は、ロケートつまみの基板についているもう一つの半固定抵抗(103)もうまく調整してやることで、おおまかな位置が合うようになります。アームの動作スピードは先述の黄色丸の半固定抵抗の調整に依存しています。
LPの再生開始位置(先頭)が半固定抵抗の調整だけでは調整が出来ない場合は、アームの根本のネジ3か所を緩めることで、根本が左右に数ミリ動かすことが出来ます。奥側にあるネジ2本を外すとカバーが外せるので、その下にあるネジ2本と、手前のアームレスト近くにあるネジ1本です。(緩めるだけで良い)
この調整後、EPの再生位置がずれる場合は、裏面より調整を行います。(白い樹脂製の偏心ネジです。横に2つの固定ネジがあるので緩めてから樹脂製偏心ネジをまわす)
DP-50Fの基板(アームサーボ基板)はスルーホールなので正直部品交換は面倒。配線もコネクタが一部使われてはいるが、それ以外は巻き付けてあるのでとても扱いにくい。
古いトランジスタを取り外す時は、リード2本はニッパでカットしておき、一本足にした状態でラジペン等で引っ張りながら半田して取り外すと良いです。残った2本のリードも、ラジペン等でつまみながら半田ゴテで温め、優しく引っ張り除去します。
<考 察>
結果、プルプルはなくなり、動作がとても機敏になった。(針を落とす位置に来れば直ぐに針が落ちるようになり、アームレストに戻れば直ぐにリフトダウンしてくれるようになった)
今回は保全の意味合いも含め多数部品交換しましたが、案外、半固定抵抗をすべて交換するだけで、動作は機敏になっていたかもしれません。もし、アームの動作が不安定な場合は、まずは半固定抵抗をすべて(4つ)交換してみるのが良いかもしれません。
ターンテーブルは、修理の際にひっくり返して作業しないといけないので、私はついつい余分に部品を交換してしまいます・・・
スタート釦を押して、アームが移動しない時は、リフターのカムのところにあるマイクロスイッチを点検しましょう。古い小型のスイッチはバネがへたっていたり、パッケージが破損していたりして動作不良になっている場合があります。