家電マニアの備忘録hatenablog

自称家電マニアである私の備忘録です。

ルームエアコンの故障について

夏や冬になると、よくエアコンの故障について色々な人から尋ねられます。

もう古いしガスが無いのかな?なんて言いながら聞いてくる人もいます。
施工時にきちんと取り付けておけば、ガスが無くなるなんてことは無いのです。

さて、故障したエアコンの故障を簡単に調べるには、
「強制冷房」ボタンを押すのです。
室内機の前パネルを開けると、「強制冷房」ボタンがあったり、「試運転」ボタンがあったりします。
また、前面の表示LEDランプの近辺に、「強制冷房」ってかいたボタンがある場合も。

強制冷房運転とは、その名のとおり、強制的に冷房運転をさせます。
もちろん室外機も強制的に運転させてくれます。

これはそもそも、、、
ガス漏れやガス不足の時にガスを追加充填する際に、室外機を運転させながら充填をさせるために使用します
ガスの充填は、コンプレッサーを動かしながら、吸わせるように充填をするからです。

また、エアコンを買い替えた場合、まだ動くエアコンの場合にはこの強制冷房運転をさせて、冷媒ガスを室外機に戻す(回収する)ためにも使用しています。
余談ですが、以前電気店に勤務していた頃は冷媒はR-22だったので運転しながら追加しました。
R410Aは混合冷媒なので基本的に追加チャージは出来ないと言われていますが、実際の所足しても冷えます。(あくまで緊急時のみとしてください)
 
このことから、とりあえず強制的に冷房運転をして室外機もちゃんと動くかを試してみるのが一番手っとりばやいのです。

強制冷房運転で室外機も運転し、冷風が出るのであれば正常と思われます。
が、運転後5分や10分後くらいに、運転ランプが点滅して室内機も室外機も停止してしまう場合には、故障である可能性が高いですね。

ガス不足もしくはガス欠だと、運転後10分くらいの間に停止してしまいます。
 
また、室外機の背面にビニール袋や枯葉、ペットの毛などがびっりし吸いついて放熱不足になっている場合も運転後15分前後で停止する事もあります。
 
室内機から室外機に起動信号が入っても室外機が動かず、即エラー点滅をする場合は、
室外機の基板・インバーター基板の不良が多いです。
また、インバーター基板から繋がる、パワートランジスタ不良によっても同じように室外機が起動せずエラー点滅を出します。
メーカーにもよりますが、インバーター基板にパワトラが一体になっているもの、
インバーター基板と、パワトラが別々になっているものがあります。

この場合は、ケチらずに両方ともセットで交換してください。
片方だけ交換してもまたすぐ同じ症状が出てしまいます。

ガス不足・ガス欠については、
冷房運転時に冷風がしっかり出ているか、温度計で計ってみてください。
温度設定は最低にし(16度や20度など)、風量は最大(強・急・大など)にしエアコンをフル稼働させながら計測します。

室内機に吸込み口(フィルターのあたり)の温度が仮に25度で
室内機から吹き出す冷風が10度くらいならガスはあります。
25度-10度=15度
この差を見ます。

ガスが不足してくると、差が10度以下になる場合が多いです。

また、室外機に繋がっている細いほうの銅管に霜がついていたり、凍りついている場合もガス不足です。
室内機のフィルターを外し、その奥にあるアルミフィンが凍っている場合もガス不足や、ファンの目詰まりによる風量低下、室内機電磁弁動作不良、室外機電磁膨張弁(LEV)の動作不良等あります。


ガス漏れの場合は漏洩箇所を突き止め、修繕後に規程量のガスを充てんします。
ガス漏れは、新品のエアコンでも起こります、製造時の溶接不良により洩れるケースを何度か見ました。
ペット専用部屋のエアコンや、ペットを多頭飼いされているお宅は、糞尿のアルカリ成分が腐食の原因となり、ピンホールが発生してガスが少しずつ漏洩するケースもありました。

だいたいこんな故障が多数をしめており、それ以外には

室内機サーミスター不良
室内機基板不良 パワトラ不良
室外機サーミスタ不良(熱交サーミスタ・管温サーミスタほか)
が多くありました。

部品個々の不具合は一般の方には調べにくいと思います。サービスマンを呼んで修理されてください。
サーミスタ類は、基板からコネクタを外し抵抗値を計測してみて抵抗値ズレが生じていないか確認する。
室内基板は、室外機端子台の1番2番、2番3番(黒・白・赤の線の端子台)の電圧値を計測し、正常なAC・DC電圧がかかっているか計測します。

稀に、エアコンの受光基板やリモコンの不良で動かない事もあります。
デジカメやスマホでリモコンの発光部から信号(デジカメごしに見ると紫色に光ります)が出ているか撮影しながら調べてみてください。
あと、偶然の押し間違いから、リモコンコードが切り替わっている場合もあります。

猛暑になるとサービスセンターもかなり混雑します。
手っ取り早く診断をして、諦めて直ぐに新しいエアコンを買ったほうが良い場合もありますね・・・

熱中症にはご注意を・・・

ガスやゲージマニホールド、工具、真空ポンプも今ではネットで購入出来、便利になりましたね。

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