家電マニアの備忘録hatenablog

自称家電マニアである私の備忘録です。

YAMAHA プリメインアンプ CA-2000  修理 調整

YAMAHAの1970年代の高級プリメインアンプ、CA-2000

1976年頃、定価ベースで158,000円だったそうです。

 

 当時も今も評価が高く、なんてったってフロントのVUメーターがカッコいいじゃないですか!ツマミの形もシンプルだし木目のキャビネットも良い感じ!!

 

 45年近く前の物だし、手を入れないといけないのは確実であろうし、ちょうど年末年始にかけて師匠から色々と教わってまだ頭が覚えている間に引き続き苦労をしようと体にムチ打ってやるつもり。

 

 とりあえず、到着一番に測定をしないといけないので予備知識を入れておくことに。 

f:id:tak6780:20200324125317j:plain

測定ポイントと整定値

 早速SMを探し、測定ポイントと整定値を調べてみる。A級だとやはりこのくらいかけるもなのですね。DENONのPMA-850IIは280mVでした。B級も850IIよりも高めなんですね。

 

 早速、CA-2000が届きました!!

 

当時158,000円もしたという高級アンプ、楽しみです!!お品書きは、「ノイズがひどく使い物になりません、メンテナンスして使うか部品取りにどうぞ」ということでした。前回のPMA-850IIもそんなお品書きで入手したものの大きな対処せずに使い、使用開始から2週間ほどでLchのDC漏れでパワトラ他連鎖的に昇天してしまった。同様に内部はほぼほぼ手を入れてやらないとダメなんだろうなと思いながら入手しました。

 

f:id:tak6780:20200324153719j:plain

外観は目立った傷もありません。美品の部類ですね!

 ホコリが目立つくらいで、大きな傷も無く美品でした。カッコいいフェイスです。

f:id:tak6780:20200324154244j:plain

このVUメーターに惚れたと言っても過言ではない

 大きなダメージは見受けられませんね。無事に到着して本当にホッとしました。

 

f:id:tak6780:20200324153848j:plain

内部もご覧の通り。手を入れられた形跡はありません!

 キャビネットを外して内部を観察、若干のホコリはあるものの綺麗なほうですね。手を入れられた形跡もありません。嬉しい事です。

 

f:id:tak6780:20200324154022j:plain

シールドカバーも開けてみる

 シールドカバーを外してみたところ、内部はとても綺麗。もう嬉しくてたまりません!!ただ、トランジスタの足は真っ黒になり枝が伸びてショートしてそうな・・・よくよく見ると足間にもガッツリ詰まっている物も。竹串を使って慎重にこそぎ落としエアブロワで吹き飛ばしておきました。

 

f:id:tak6780:20200324154126j:plain

パワーアンプ部分

パワーアンプ部分は天板に通風口があるためホコリが多くありました。見える範囲のトランジスタ、どれも足が真っ黒です。

 IPAを綿棒に塗布し手の届く範囲にある足の黒いトランジスタの掃除を行う。IPAでも思いの外綺麗になるもんだなと感心。

 入力切替・録音切替の接点には軽くリレークリーナーを吹き付け、スイッチを20回くらい操作しておく。

 

f:id:tak6780:20200324154359j:plain

値は大きくズレていない

 予備運動と軽いメンテナンスを済ませたあと、意を決して電源投入。本当はスライダックで徐々に上げていくのが良いということは分かっていてもスライダックが無い・・・。

 そもそも出品者が通電し音が出るがノイズだらけで使えたもんじゃないという事だったので、電源投入も大丈夫だろうと踏んだわけで・・

 

f:id:tak6780:20200324154619j:plain

Lch調整後

 Lchを先に調整し、次にRchの調整も行った。比較的どちらも値のズレは少なく、A級もほぼ範囲内でした。

 

 B級 16mV

 A級 250mV

 

に調整しておきました。このアンプは電源を投入しリレーが働くまではB級側に切り替えていてもA級の動作のようです。

 用心のために低めに設定、せめてもの延命のつもりで・・・汗

次回のLP視聴会にはこのアンプで臨もうかと思います。それまでに不具合が出た場合は850IIに頑張ってもらおう。850IIが万が一不調ならば500Z。それぞれ味が有って良いアンプ達です。手を入れた分何故か可愛くて仕方がありません(親バカ)

 

 値の調整が済んだので早速タンテと補欠スピーカーを接続し音出しを行う。

 

素晴らしい・・・ ガリ1つなくスムーズな音出し。音も良い、良すぎるじゃないか!!「ノイズが酷すぎて使い物にならない」という症状は皆無。トランジスタの足の掃除をしたからなのか、セレクターの接点にリレークリーナーを吹き付けたお蔭??

 

 ちょこっと簡単なお掃除をしただけでノイズゼロで復活してくれたのが幸運でした。内部の部品は何一つ交換していないので、これぞ当時の「音」なんでしょうね。勿論Trやケミコンの劣化により音の変化もあるのだろうけど、個人的には大満足。

 以前PMA-500Zを手に入れた時は、サァーーーーというホワイトノイズが酷くて原因も分からずに内部のTrのほとんどを同じ物や互換品に交換したのだが、今回は本当にラッキー。

 

 メーターも動いている。ただランプは数個切れている模様。これは後日のお楽しみにするとするか。(笑)念のため開けて見て指ではじくと一つは復活、更にA級動作をさせたときになぜかもう一つも復活してくれた。メーター球にかかる電圧は12Vでした。

 

 低音の調整・高音の調整も問題なく、特に高音をプラスしていくと本当に澄んだ音というか雰囲気の表現がグッと上がりました。

 850IIも高音は良く伸びてJAZZにぴったりと思っていたのだが、これはやばい、CA-2000ででも是非JAZZを聴きたくなった。

 

 とりあえずホイットニーさんで1時間試聴してみることにする。

今回のJUNKは大当たりだった。これだからJUNK漁りは止められないんだよ。(笑)

 

 ホイットニーを聴き、JAZZも聴いてみた。自然な味付けがないストレートな音とでも言うのでしょうか。

 更に明菜様も拝聴。ボーカルが澄んでいる、ごくごく自然なストレートなボーカルである。今まで、ラウドネスを使わないと物足りなかった というかラウドネスが付いていないと音が頼りないと思っていたんです。

 CA-2000ではラウドネスは付いていませんが、このストレートな音、中・高音が澄んでいて本当に良い音・品のある音だなと感動してしまいました。

フレディ・コールも見違える音で聴こえます。

 

 さすが、 ナチュラル サウンド と謳っているだけあるなと思った。

 

パワトラのシリコンもまだ乾燥しきっている様子では無いが暇を見てシリコンパッドに交換してやるか、雲母板のシリコンを塗布し直してやろうかと思う。少しでも長持ちさせて無事に50年を迎えてやりたい。

 

<追記>

知り合いが譲って欲しいとの事だったので、Trフルレストア後にお譲りいたしました。