三洋電機の石油ストーブ OH-76D 1975年発売
オーディオを愉しむために突き詰めて、この形のストーブに落ち着きました。コロナやトヨクニの持ち運び出来るタイプも気になったのですが、底板が大きくて狭い部屋だと躓きそうで選択除外。
上に乗せるケトルなどが安定して置ける形、給油はカートリッジタンクでは無い形、メンテナンスのしやすさ、耐震自動消火装置付(錘式)きである、やっと念願の形に出逢えました。
そして何より配色とデザインがレトロですしね。
ただ、芯の状態が悪く、芯の上げ下げが重いので交換をすることに。おそらく一度も交換はされていない気がします。
<交換手順>
前パネルを取り外し、油タンク固定ネジ(2か所)を取り外すと手前に引き出せます。
遮熱板を取り外します。
点火ツマミ(グレー)に掛かっているバネを外します。
4か所の蝶ネジを取り外し、芯枠を外します。
芯枠は上にゆっくりと抜き取ります。
しん調整つまみの先にある、ローラー止めばねを抜き取ります。
ローラー止めばねでしん支持金具と歯車が確実に噛むようになっています。
しん調整つまみを引くと、しん支持金具とかみ合っているギアが外れ、しん支持金具がフリーになります。
しん支持金具を半時計回りにひねりながら上にあげると簡単にするっと抜けます。
しんはかなり減っているようです。本来の取り付け位置よりも上げてあったので前所有者さんが上げたんでしょう。昔はこうしてメンテナンスしながら使っていたんでしょうね。
オレンジのテープ部分に記された薄い横線が本来芯支持金具の上端になります。
この細い紐状の芯は、点火用の芯です。ヒーターでまず点火芯を燃焼させ、その火が燃焼芯に燃え移る事で点火しています。
取り外した芯を測ってみました。
減っていると思いますが、全長は180㎜くらいでしょうか。
しん調整つまみを回すと、ギアによって芯支持金具が上下する仕組みになっています。
この突起に引っかかれば、純正の芯でなくても使えそうな気がします。全長が足りたら問題なさそうですね。
芯案内筒の上部、黒くなっている部分は、点火用芯がある場所です。どうやったら黒い汚れを除去出来るのか・・?
芯を上げていくと、最後のほうで物凄く重たくなります。おそらく筒と芯の摩擦が大きいと思うので、上のほうにある汚れやブツブツを除去してみようと思う。
クロスにアクリサンデーを少量つけて磨きます。結果、茶色いタール汚れや黒い点、筋汚れは綺麗になりました。案内筒上部の激しい汚れは取れませんでしたが、さほど問題はないでしょう。から焼きである程度はマシになると思います。
某ネットオークションで出品されているのを見かけて数日間チェックしていましたが、競合は1名だけで1,190円で落札することが出来ました。
全長はおよそ200mmでしょうか。芯は30mm、テープ幅は90mmといったところでしょうか。今後純正以外の芯を使う場合には、この寸法を目安に探そうと思います。全長が足りないと芯を上げ切った状態の時に下部が灯油に浸らないので燃焼が持続しません。
また、下部にウエスを縫い付けたりする場合も注意しないと収まりが悪くなり、芯の上下に支障が出ると思います。
古い芯は芯部分は20mmほどしか無かったので10mm減ったんですね。
芯支持金具に装着してみました。SANYOのロゴの左にある縦線は、芯支持金具の縦(継ぎ目)ラインに合わせます。
横線は、芯支持金具の上端に合わせます。
縦線を合わせておくと、最上部まで芯を上げたときにきちんと点火位置に切り欠き部分が来ます。
芯支持金具をセットし、ローラー止めばねを差し込みます。
案内筒を一番下までおろした状態で、芯調整つまみを90度右に回した状態を保持しながら、芯支持金具のギザギザにかみ合わせます。(若干バネの力が掛かった状態です、これにより、耐震自動消火装置が働いた時に確実に芯が下がります)
先を内側に向けて成形しておきます、これにより芯枠を入れる時に芯の外側が巻き込まれるのを防ぎます。
新品の芯ってこんなにフワフワで柔らかいんですね、古い芯はバシバシのナイロンタワシ状態だったんですよ。
パッキンに異物が残っていないか確認し、芯枠をそーっとかぶせます。芯を内側に向けて成形しておいたので、巻き込みもなくスムーズに装着出来ました。
芯枠固定用の蝶ネジ4か所を、対角同士で締めていきます。工具は使わずに手の力で締めるくらいで充分です。
芯の上下がスムーズに出来るか確認しながら締め付けます。偏りがあると若干滑りが悪い場合があるので、極力スムーズなところで固定します。
点火ツマミのバネを元通り引っ掛けます。
油タンクを元通り組み込み、前パネルを取り付けて完了です。
芯交換後、給油し30分ほど放置して芯に灯油を吸わせます。
放置後、点火。
替え芯の袋にも記載ありますが、本当に火の回りが速くて直ぐに暖かくなるんです。
昔のストーブって暖かくなるまで結構時間が掛かっていたような記憶があるのですが、このストーブの芯は本当に火の回りが速いですね。綿芯との違いなのかな?
放熱網の赤熱具合も以前は暗い所がありましたが、均等になりました。
点火後放置していると次第に炎が上がってくるので、適宜芯調整つまみで芯の調整をして最適になるように調整します。
この芯調整つまみで調整する時、交換前は物凄く硬かったのですが交換後はほんとスルスルスルとつまみが回せるようになりました。
アクリサンデーで磨いたのも効果があるのでしょうか。
貴重な純正芯に交換が出来たので、今後はしまうときにから焼きをして、しまうようにします。
別記事でも書きましたが、芯のから焼きは本当に効果がありますので、芯先にタールが付着して茶色くなってきたり、芯上下が重たくなった時、燃焼時の臭いがキツい時などはから焼きをしてみてください。
から焼きは、タンクの灯油が無くなり自然に火が消えるまで燃焼させるだけです。
程度の良い個体に、純正芯まで手に入り良い買い物が出来ました。ジャンク品漁りはやめられません笑笑