当時のカタログを見つけたのでスキャニングしてみました。
こうしてカタログを読むと、かなり力を入れて作られた商品のように感じますね。
昭和53年11月現在ということなので、私はまだ生まれていませんが、当時からすでにこのような技術があったとはまた驚き。
フルオートターンテーブルって案外玉数が少ないので今となってはレアな気がします。お手軽なプレイヤーだとフルオートもありますが、こういったしっかりとしたターンテーブルでのフルオートは貴重だと思う。
今は、マニュアル機しか所有していないので、いつかフルオートターンテーブルも手に入れたいなと思うこの頃です。
LPの片面って案外演奏が終わるの早いのでちょっと目を離すとエンドループしていたりして針先も心配ですしね、フルオートで盤にも針にも優しくということですね。
Denon. DP-40F/50Fは、レコードプレーヤーの基本性能を十分遵重しながら、DENONの新らしいサーボ技術によって開発した無接触形電子制御サーボトーンアームを採用し、しかもダストカバーを閉じたまま前面操作によってトーンアームを自由にコントロールできる使いやすくユニークなフルオートプレーヤーです。しかもマニュアル操作も共用できる大きな特長をもっています。
電子制御サーボトーンアームは無接触構造により、トーンアームの性能(水平感度やトラッカビリティ等)を何ら損なうことはありません。 回転性能は、DENON独自の高精度磁気記録検出方式で周波数と位相検出を行ない、さらに水晶発振器によるフェーズロックドサーボ(新開発LSI使用)方式を採用し、静かで滑らかな回転の得られるACサーボモーターを駆動しています。このため回転スピード偏差は0.002%以内と極めて少なく、また、負荷特性、ワウ・フラッター特性等も大変優れています。 このほか、軽量で剛性の高いトーンアーム、優れた制動力をもつターンテーブルシート等あらゆる面から検討して、防振特性を優れたものにしています。
DP-40F/50Fの主な特長
フルオート機構
A)卜ーンアームに触れずに自由な演奏が可能 前面にコントロール部を配置してありますので、ダストカバーを閉じたまま演奏スタート、トーンアームの移動、リフトアップ及びダウン、リピート、ストップ、アンチスケーティングの調整等が容易に行なえます。
B)電子制御サーボトーンアーム トーンアームの駆動機構は、トーンアームの回転軸にMC形アンギュラーモーターが直結され光の透過率でトーンアームの回転角度検出を行なうCdSと偏光板等が組合わされ電子サーボ回路と結合されています。
・トーンアームは、無接触構造になっているため、トーンアームの性能を何ら損なうことがありません。
・トーンアームの演奏位置はロケートツマミで自由にコントロールすることができます。
・トーンアームの移動は、その速度もサーボコントロールきれているので、一定の速さで動きセットされた位置に近づくと速度を減少させ滑らかに止まります。ロケートツマミを早く回してもトーンアームは一定の速さで動くので安全です。
・アームリフターは、専用モーターによりスムーズな動作をいたします。
・アームの移動中、手でさわっても逆方向に動かしても何らさしさわりなく、はなせば確実な移動を行ないます。
・フルオートプレーヤーですが、マニュアルで使用しても何らさしつかえありません。
C)操作機能
操作機能は電子制御サーボトーンアームと電子制御回路との巧みな結合により、ユニークで安全、確実な動作をいたします。
1)ロケートツマミ ロケートツマミは、タッチスイッチと組合わされており、トーンアームの演奏位置の設定と演奏スタートを兼ねています。
・ロケートツマミにさわり、演奏スタート位置を設定して手をはなすと、トーンアームはリフトダウンしてターンテーブルは回転を始めます。
・演奏中、ロケートツマミにふれるとトーンアームはリフトアップし、設定された位置まで戻り、はなすと再び演奏スタートします。
・ロケートツマミにふれている間は、トーンアームはリフトアップを続け、演奏位置を自由に変更できます。
2)リピートスイッチ リピートスイッチをオンにして、演奏スタートすると、ロケートツマミで設定された位置からエンドまで繰り返し演奏いたします。
トーンアームはエンドでリストアップして設定された位置に直接戻り演奏を続けるクイックリピート方式です。(アームレストに戻ってから演奏スタートする余分な時間や動作はありません。)
3)リフター 演奏中リフトアップする時押します。再たび押すとリフトダウンします。
4)アンチスケーティング 針圧に適応した調整ができます。 トーンアームがリフトダウンすると、MC形アンギュラーモーターにサーボ回路からの電流は切られ、演奏中は調整ノブに応じた電流を加えて、アンチスケーティングの力をトーンアームに与えています。リフトアップ時は電流は流れません。
5)ストップスイッチ 演奏を中止する時、ストップスイッチを押すとトーンアームはリフトアップしてアームレストに戻り、ターンテーブルの回転は止まります。リピートスイッチを押してある時でも演奏を中止します。
6)オートストップ・オートリターン動作 レコードのエンド検出も光による無接触構造で検出しており、導出溝に移行した時の速度を検出して、トーンアームはアームレストに戻り、フォノモーターの回転は止まります。 フォノモーター及びその他の特長
A)高精度磁気記録検出方式で周波数と位相検出を行ない水晶発振器によるフェーズロックドサーボ方式の採用でスピード偏差0.002%以下
B)振動が少なく滑らかな回転の得られるACサーボモーターを採用
C)レーザーホログラフィ干渉による振動解析から生れた新開発のターンテーブルシートを採用
D)S字形パイプでラテラルバランスをとった使いやすいトーンアームを採用。DP-40Fは、軸受と後部ウエイト間にダンピング材を入れて共振を防いでいます。
E)十分な防振対策を施こしハウリングマージンを高めています
DP-50Fに追加される特長
1)30cm/17cmレコードサイズ選択用自照式プッシュボタンスイッチと、自照式スタートプッシュボタン付
2)アーム鳴きを減少させるダイナミックダンピング機構採用トーンアーム使用
3)トーンアームのリフトアップ及びダウン時に動作するミューティング回路内蔵
4)アーム高さ調整可能(約5mm)
5)スピード切換やストップ動作は、す早く、滑らかな電子ブレーキを採用
6)水晶発振によるパルス点灯した見やすいストロボスコープ付
7)スタンバイスイッチ付
DP-40F/50Fの動作 電源スイッチをオン、リフターはダウン、レピートはオフにしてレコードをのせておきます。 DP-50Fはロケートスイッチを押します。
1回演奏 操作 プレーヤーの動作
1)ロケートツマミにさわり、演奏スタート位置を設定します。
2)ロケートツマミから手をはなす。
・トーンアームはアームレストから内側に移動し、設定された位置に止まります。
・トーンアームはリフトダウンしてターンテーブルは回転を始め演奏状態になります。 ・演奏が終るとトーンアームはリフトアップしてアームレストに戻り、ターンテーブルの回転は止まります。
(その他)
3)演奏中にロケートツマミにさわる
4)演奏中、ストップスイッチを押す。
5)演奏中、ロケートツマミにさわり回転させ手をはなす。
・ロケートツマミで設定された位置より演奏スタートします。
・トーンアームはリフトアップしてアームレストに戻り、ターンテーブルの回転は止まります。
・トーンアームはリフトアップして新たに設定された位置から演奏スタートします。
リピート演奏 操作 プレーヤーの動作
1)リピート スイッチをオンにします。
2)ロケートツマミにさわり、演奏スタート位置を設定し手をはなす。
3)リピートスイッチをオフにする。
・トーンアームはアームレストから内側に移動し、設定された位置から演奏スタートします。
・演奏が終るとトーンアームはリフトアップして、設定した位置から繰り返し演奏を続けます。
・演奏が終るとトーンアームはアームレストに戻り、ターンテーブルの回転は止まります。
(その他)
4)演奏中ロケートツマミにさわり回転させ手をはなす。
・トーンアームはリフトアップして新たに設定された位置から演奏スタートします。(繰り返し演奏の頭出し位置の変更ができます)
※ストップスイッチを押すと、いかなる時でも演奏を中止し、トーンアームはアームレストに戻り、ターンテーブルの回転は止まります。
※一回演奏中でも、リピートスイッチをオンにすると繰り返し演奏になります。
※リフターをオンにするといかなる演奏中でもトーンアームはリフトアップし、オフにするとリフトダウンします。
※DP-50Fの場合30cm/17cmのいずれかを押してスタートスイッチを押すと選択したレコードの径に合わせて演奏スタートできます。
※DP-40Fのロックランプは、回転スピードが規定になるまで点減し、規定になると点灯します。
DP-40F/50F主要規格
[フォノモーター部]
DP-40F DP-50F 駆動方式: サーボ式ダイレクト・ドライブ
モーター: ACサーボモーター
スピード制御方式: 周波数検出によるスピードサーボ及び位相サーボ併用
回転数: 33・1/3、45rpm
回転数偏差: 0.002%以内
負荷特性: 0%(針圧80g最外周)
起動時間: 1.5秒以内(33・1/3回転時)
ブレーキ: 電子式ブレーキ
ワウ・フラッター: 0.015%Wrms以下(磁気パルス円盤を用いたDENON測定法による。)
S/N: 75dB(DIN-B)
ターンテーブル: アルミダイカスト30cm 自重1.5g 慣性モーメント200kg・cm2 (ターンテーブルシートを含む)
[卜ーンアーム部] 形式: スタチックバランスS字形、ダンピング材により共振防止構造
オート機構: 電子制御によるサーボコントロール方式
有効長: 244mm
オーバーハング: 14mm
オフセット角: 20.5°
トラッキングエラー: 2.5°以内
適合カートリッジ自重: 5~11g
針圧可変範囲: 0~2.5g/1回転(1目盛0.1g)直読式
ヘッドシエル: 自重9g(取付ネジ類を含まず) インパクト成形アルミ合金 時重9g(取付ネジ類を含まず
アーム高さ調整範囲: - 約5mm ヘッドシエル
コネクター: EIA規格4Pコネクター EIA規格4Pコネクター
アームリフター: 専用モーター駆動によるオイルダンプ方式
出力コード: 低容量コード直付
[総合]
キャビネット: パーチクルボード塩ビシート張リ ラワン合板ブビング材張り(天然)
インシュレーター: 高さ調整可能インシュレーター 高さ調整可能インシュレーター
電源: AC100V 50/60Hz AC100V 50/60Hz
消費電力: 14W 18W
外形寸法: 485(W)×146(H)×437(D)mm (ダストカバーを閉じた時) 493(W)×160(H)×438(D)mm (ダストカバーを閉じた時)
重量:12kg